ゴールキック

トライした地点からタッチラインに平行線上どこから蹴って良い。
写真は、06年6月、北九州市の本庄陸上競技場であった日本代表対トンガ戦から。キッカーは日本代表の闘将、大西将太郎選手(近鉄)。大西選手は07年W杯のカナダ戦、肋骨骨折のけがを押して出場し、好タックルを連発。ノーサイド寸前、右ききのキッカーにとって最も難しい右タッチライン際のゴールキックも見事に決め、日本が12対12の同点に追いつき、W杯での連敗を止めた。

 ゴールキックの際、例えそれがひいきでないチーム側でも、キッカーが集中できるよう、ブーイングを浴びせるのでなく、静かに見守るのが紳士のスポーツ、ラグビーのファン。難しいキックを決めたら惜しみない拍手を送る。ラグビーは、こんな明文化されていない「紳士協定」の上に成り立っている。選手は誰もがグラウンド上に、実際はひかれていない複雑なオフサイドラインを自ら守ってプレーしている。
好プレーには敵味方かかわらず拍手を送る――こんな観戦マナーが最近は消えつつある。にぎやかなサッカーの応援とはまた違った日本ラグビーならではの応援が見たい。